小田原に新しくオープンしたNobule(ノーブル)さんのディナーに行ってきました。ここは、小田原CUSINE(キュージンヌ)とお店がうたうように、小田原や周辺の素材をできるだけシンプルに出汁等の和の手法も使いながらイタリアン×和を融合させたレストラン。食べた感想は「素晴らしい」の一言に尽きる料理。火入れ、組み合わせ、素材への仕事、ワインどれをとってもすごさを感じるディナーでした。今回はこのノーブルさんのディナーについて、ワインペアリングも踏まえてブログで紹介したいと思います。

Nobule(ノーブル)
小田原駅近くに2026年8月にオープンした「Nobule(ノーブル)」。
オーナーシェフの山本光伸氏は、イタリアで料理の研鑽を積み、帰国後は御殿場の「リストランテ桜鏡」で15年以上経験を重ねた後、箱根のオーベルジュ「HAKONE NICA」の総料理長を務めた料理人です。

独立して開いたこの店では、小田原や西湘の食材を中心に、イタリアンの技法と和の感性を融合させた料理を提供。店が掲げる「小田原CUSINE(キュージンヌ)」をテーマに、相模湾の魚介や地元の野菜など、地域の素材を生かした一皿を楽しめます。

素材の持ち味を引き出す丁寧な火入れや、出汁を取り入れた繊細な味わいも特徴。
料理に合わせたワインや日本酒のペアリングも用意され、小田原の食材と料理人の技術を堪能できるレストランです。

食事代(一人当たり)
20,000円弱(→カード可)
(ディナーコースにペアリングハーフで18,700円弱)
一人飯(予約方法・難易度)
一人飯:(可 一人で実食)
予約:食べログから一人を予約(一人予約がオンラインで可能なのはとてもありがたい)。
難易度:★(テーブル席だが特に一人であることは気にならない)
場所・アクセス
小田原駅から350m程度、小田原の名店であったメシモの跡地にお店はあります。
お店前に2台駐車場があり。

混雑状況・待ち時間
完全予約
(2026年11月では予約はまだ取りやすいですが、近いうちに予約困難になると思います)
料理の紹介
メニュー
個人的にはペアリングがおすすめ。
フルペアリング8,000円
ハーフペアリング6,000円
料理は以下の構成。

小田原近郊の素材を使用した小田原CUSINE(キュージンヌ)です。
料理
ズワイガニ
すりおろした蕪と湯河原本店の十二庵の豆乳フラン、柚子の香りと優しいオリーブオイルの風味。

口に入れると、豆乳と蕪、ズワイガニの旨味が口中に広がり、柑橘の香りがほのかに漂う。

フランの温度も完璧。

これに合わせるのは
ブリュット アテシス アルト・アディジェ(Athesis Brut Alto Adige DOC)
イタリア / トレンティーノ=アルト・アディジェ州のスパークリング。
輝きのある美しい麦わらイエロー色でフレッシュかつドライな味わいが蕪と豆乳の旨味の余韻をさらに強くする。

カマス
カマス、銀杏、原木椎茸を包み焼きにした一皿。

フィルムを開けたとたんに広がる香りがすごい。
食べると出汁の旨味がすごく、出汁といただく柔らかなカマス、ねっとりかつ弾力ある銀杏、弾力ある原木椎茸の食感のコントラストも楽しめる。

松みどり 純米吟醸 S.tokyo(Matsumidori Junmai Ginjo S.tokyo)
中沢酒造株式会社(神奈川県足柄上郡松田町)の酒蔵の日本酒。爽やかでかつ日本酒の良さを感じる日本酒は、この包み焼きの濃厚な出汁の旨味にベストマッチする。

チャバタ
レストランで焼き上げたチャバタ。チャバタ(Ciabatta)とは、イタリア生まれの伝統的なパンであり、高加水のモチモチした食感とシンプルな味わいが特徴。

出汁を吸わせていただきます。
黒ムツ
黒ムツと里芋のフリット、ソースは柚子胡椒とハーブのソース。

フリットはカリッとし、衣に黒ムツの旨味と里芋の旨味、最初に感じる印象は違うものの余韻に残るねっとりとした食感。
味わい、温度だけでなく食感まで印象を残すことがすごい。

ソースはバジルと思いきや柚子胡椒ベースソース。この料理をより面白いものにしてくれます。

これに合わせるのは
ヴィノ・マルトヴィレ / ツォリコウリ(Vino Martville / Martvilis Marani Tsolikouri)
ジョージア / イメレティ州のオレンジワインで、ジョージアの伝統的な素焼きの土器「クヴェヴリ(Kvevri)」を地中に埋め、果皮とともに約4ヶ月醸し・発酵させた伝統製法(アンバーワイン/オレンジワイン)のワインです。
これを陶器のグラスでいただく。人の体温でほんのり温度が上がるワインは白ワインのフレッシュさと程よいタンニンの香りを楽しめます。

ヒラマサ
ヒラマサのカルパッチョに和田農園のクレソンを塩水昆布締めしたものでいただく。

ソースは甘唐辛子(万願寺唐辛子)のピューレ、辛みはなく旨味を伝えてくれる。

まずこの料理の基本であるヒラマサがうまい!いい締め方をしているのだろう、適度な弾力を残しながら旨味がすごい。

これを塩水昆布のクレソンといただく、初めて味わう感覚。ほんのり香るクレソンの旨味がアクセントとなる。
これに合わせるのは
セイズファーム ロゼ 2024(SAYS FARM ROSE 2024)
富山県氷見のワインで赤系果実のアロマに、ほんのり香ばしい樽の風味を楽しみます。

鰆
焼いた鰆にはるみ(足柄の米)のリゾットと和ぜりをソースでいただく。

まず感じるのが鰆の火入れがすごい!
皮目はパリッとしながらも中は絶妙な火入れ、鰆独特の香りを楽しむことができる。

これに合わせるはるみと和ぜりのリゾットが深みを与える。

それに合わせるのは
向井酒造(京都府与謝郡伊根町)の伊根町 夏の想い出 純米酒 焼酎麹仕込み
お酒からくる酸味と麹の旨味がはるみリゾットの優しい味に強いアクセントと印象を与えてくれます。

足柄牛
足柄牛のヒレにスティックセニョールとレンコンのソテー、落花生を加えた一皿、ソースはフォンを使った軽いながらも深みあるソース。


このヒレへの火の入れ方すごいですね。滑らかな舌触りに最高の旨味、絶妙な塩味がこの皿の完成度を物語っています。

スティックセニョールのうまさに肉の旨味、最高の火入れが素晴らしい。

これに合わせるのは
ドメーヌ・ボー マルスラン 2023(Domaine Beau Marselan / 2023)
富山県南砺市のワインでマルスラン(Marselan)100%使用したもの。
マルスランは「カベルネ・ソーヴィニヨン」と「グルナッシュ」を掛け合わせて生まれた希少な赤ワイン用ブドウ品種で、カベルネ・ソーヴィニヨンゆずりのしっかりとした骨格・タンニン(渋み)と、グルナッシュ由来の豊かで柔らかな果実味が足柄牛のペアリングとしては最高です。

タリオリーニ
平らな玉子麺のタリオリーニ、歯切れの良さが素晴らしい。

つぶ貝に春菊、トマトの旨味あるソースを絡めながらいただく。

たまに感じる春菊の香りが食欲のアクセント。
これは美味しいパスタだ。


グレイス 甲州 鳥居平畑 プライベート・リザーブ 2023(GRACE KOSHU TORIIBIRA VINEYARD PRIVATE RESERVE 2023)
山梨県勝沼の中でも古くから高品質な甲州ブドウが育つ名醸地「鳥居平(とりいびら)地区」のブドウを使用したワイン。ミネラル感と酸味が素晴らしいワイン。

パンナコッタと次郎柿
最後はクラシックにパンナコッタと次郎柿。

パンナコッタは舌触りよく、次郎柿は甘柿らしい甘さと、添えられた黒豆が晩秋の風情を感じさせる。

エスプレッソと麹のマドレーヌ
最後はエスプレッソとマドレーヌをいただく。

飲み物はほうじ茶とエスプレッソから選択できる。
最近最後はコーヒーを注文せずに、エスプレッソを注文する。
それは、今まで食べた料理の余韻に対しコーヒーの香りは繊細すぎて受け止められないと思っているからだ。
コーヒーなら茶の方がいいと思う。
お店の意図が自分と同じかどうなのかわからないが、このほうじ茶からエスプレッソかの選択肢は個人的は素晴らしいとおもいます。

麹のマドレーヌは香りがよくエスプレッソの強い香りと共に余韻にひたる。

素晴らしいディナーでした。料理の味わいに余白を残し、そこにお酒で補完し、クレソンやセリ、春菊等の葉物の旨味を使いこなす。
個人的にはシェフ、ソムリエの意図を自分なりに解釈しながらいただくのが楽しいし、食べて「ゾクゾク」感じるとても楽しいディナーでした。
素晴らしいディナーをありがとうございました。
感想・お店情報
感想
ディナーコースにワインペアリングハーフをいただいて18,700円弱、すごい満足度の高いディナーでした。
小田原近郊の食材に最高の火入れ、たまに入るクレソン、和ぜり、春菊などのアクセント、最高にシンプルだけど味わい深いソース、本当に心打つディナーだったと思います。
そこに合わせるのはソムリエが合わせるワインや日本酒、今回は国産のワインが多かったが、シェフの料理にはとてもベストマッチするワインチョイスだったと思います。
今回印象に残ったのは、ヒラマサ、鰆、足柄牛。
ヒラマサは下に忍ばせた塩水昆布で締めたクレソンといただいてもいいし、赤玉ねぎのソースといただいてもいい。ヒラマサのうまさに加えて野菜の旨味に心が躍る。
鰆は最高の火入れ、足柄のはるみと春菊、そこに酸を感じる伊根の日本酒が深い味わいを与える。料理の味わいに余白を残し、ペアリングで補完する、見事な料理の組み合わせだったと思います。
足柄牛も最高の火入れ、口に広がる滑らかな舌触りは雑味なく純粋に肉の旨味を堪能できます。スティックセニョール、レンコンの旨味が肉をさらに一つ高い領域に導いてくれる。それはこの素晴らしい火入れによるものが大きいと思います。
黒基調の店内にオープンキッチン、シェフの無駄のない動きを眺めながら食事を待つのはとてもいいですね。
料理はイタリアの中に和の要素があるというより、和の中にイタリアンの要素があるといった印象。
ここまで和にふったイタリアンは初めてで、とってもワクワクできる貴重な体験でした。
「この店はすごい」そう思わずにはいられないディナーだったと思います。
素晴らしいディナーをありがとうございました。
お店情報
| 店名 | Nobule(ノーブル) |
| 公式HP | Nobule(ノーブル)公式インスタ |
| TEL | 0465-20-4289 |
| 住所 | 神奈川県小田原市栄町2-5-22 木戸ビル 1F |
| 定休日 | 日、月曜日 |
| 営業時間 | 11:30 – 14:30 L.O. 13:00 18:00 – 21:00 L.O. 19:00 |
| カード | カード可 |
